睡眠障害の一種で、眠りたいのに眠れない、または睡眠の質が低いため、睡眠不足が続く状態を指します。その結果、日中に強い眠気や倦怠感、意欲や集中力の低下、めまい、頭重感などの症状が現れ、日常生活に支障をきたすようになると、不眠症と診断されます。
発症の原因は多岐にわたり、ストレスや心の病気などの精神的要因、身体的病気、薬の副作用、カフェインやアルコールの過剰摂取、騒音や高温多湿などが含まれます。
なかなか眠りにつくことができない状態です。具体的には、就寝後30分~1時間が経過しても寝付けない場合を指します。ストレスや心配事などが引き金になることが多く、不眠症と診断された方の中で最も多いタイプです。
眠りにつくことは容易であっても、浅い眠りのために目がすぐに覚めてしまうタイプです。
起床する時間よりも2時間以上も早く目覚め、起きる予定時刻まで眠れない状態が続きます。高齢者に多いタイプです。
睡眠時間は、しっかり確保しているものの、眠りが常に浅いため熟睡した感覚が得られないと感じるタイプです。
眠れない原因を特定するために問診を行います。必要に応じて血液検査や睡眠時無呼吸症候群の検査、頭部MRIなどを実施します。
不眠を引き起こす病気がある場合はその治療を行います。原因疾患がない場合では、生活習慣や環境の改善が基本です。具体的には、規則正しい食生活、朝の太陽光を浴びる、適度な運動、快適な寝床環境、リラックス時間の確保などです。
それでも改善しない場合、薬物療法として睡眠薬を使用します。不眠症のタイプによって、睡眠導入剤やその他の睡眠薬(メラトニン受容体アゴニスト、オレキシン受容体拮抗薬、など)の他、抗うつ薬の一種や抗不安薬などを使用することもあります。