統合失調症とは

統合失調症

かつて精神分裂病と呼ばれていた病気で、2002年から現在の病名に変更されました。この病気は思考、行動、感情の統合が困難になり、幻覚や妄想などの精神症状が現れることで日常生活に支障をきたします。

発症の原因は完全には特定されていません。
主な症状は、陽性症状、陰性症状、認知機能障害に分けられます。陽性症状には幻覚や妄想、考えがまとまらない、異常行動などが含まれ、陰性症状には感情表現の乏しさ、意欲の低下、引きこもりがちになることなどがあります。認知機能障害は記憶力や注意力、判断力の低下です。
症状の経過は、前兆期、急性期、休息期、回復期に分けられます。前兆期は不眠やイライラ、集中力の低下が見られ、急性期は幻覚や妄想が顕著です。休息期は元気がなく、やる気が出ない状態が続き、回復期は徐々に心身が安定していきます。

検査について

発症の有無は、医師のヒアリングと診断基準に基づき判断されます。

治療について

治療は薬物療法と精神療法が基本です。薬物療法では抗精神病薬を使用し、抗精神病薬には従来型の定型抗精神病薬と新しい非定型抗精神病薬の2種類があります。非定型抗精神病薬は陽性症状だけでなく陰性症状や認知機能障害にも効果があるとされ、最近は非定型抗精神病薬が主流です。
精神療法には支持的精神療法、認知行動療法、集団精神療法があります。支持的精神療法は医師が患者の話を聞き、アドバイスやサポートを行うものです。認知行動療法は認知のゆがみを修正し、感情や行動を変える方法で、集団精神療法は患者同士が集まり、悩みを話し合い、症状の改善を図るものです。